犬のしつけ |
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犬のしつけ |
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ワンちゃんのしつけ はじめに しつけをする理由ですが、何のために犬にしつけをするのでしょうか、それは人間とともに暮らすためのルールを教え、社会(他人)に迷惑をかけないようにするためでしょう。迷惑をかけない犬は誰からも愛されます。そうなれば犬も幸せでしょう。 「誰とキャンプしますか」のページで書きましたが、私の一番好きな動物は犬です。我が家の愛犬はウェルといいます。 〔愛犬(ウェル)のことを話し始めると止まらなくなってしまいますし、他人の自慢話は聞かされる 方としては苦痛となりますので、ここでは割愛させて頂きます。〕 しっかりしつけがされている犬は本当に愛くるしく、頭をなでて可愛がってあげたくなるのですが、そうではない犬が多すぎます。これは犬の性格もありますが、飼い主の責任が多分にあると思います。ただ猫っ可愛がりするのを愛情と勘違いしている飼い主がとても多いのが現実です。レストランやスーパーマーケット、マンションなどで「ペット禁止」の文字をよく見かけます。キャンプ場とて例外ではなく、ペット同伴可のところが増えつつありますが、日本の社会は犬の受け入れの面ではまだまだ課題が多いと言えます。もっと受け入れてもらうために、飼い主はその責任を果たさなければならないでしょう。 そこで、犬を飼う上での参考となればと、私の経験やいろいろなメディアから得た情報の中から しつけ方や困ったときの対処を掲載いたしました。 このページに遊びに来られた方の可愛い愛犬(子ども達)が、他の人にも可愛がられ癒しを与える事ができる一助となれば幸いです。 目次 1 基本的なしつけ (1)食事の時間は伺い主が決める (2)犬の食事は飼い主のあとに (3)アイコンタクト (4)よい行動だけをほめる (5)玄関の出入りはリーダーファースト (6)リーダーがつねに優位 (7)命令は1度だけ。確実に実行させる (8)遊ぶときの主導権も飼い主が持つ (9)しつけは毎日欠かさない (10)「マテ」「フセ」で服従心が向上 (11)犬との関係は主従関係 (12)去勢・不妊手術にメリットあり (13)マズルコントロール (14)体じゅうをさわってあげる (15)厳しさだけでなく優しさも (16)公平で穏やかなリーダー (17)抱くときの注意 2 キャンプで必要なしつけ (1)クレートレーニング (2)首輪とリードを付ける (3)「ツイテ」のしつけ 3 こんな時の対処 (1)成長とともに吠えるようになった (2)外を通る人に吠える (3)突然やみくもにほえる (4)ある特定の音(例:掃除機)に吠えて大騒ぎ (5)行き合うよその犬に吠える (6)拾い食いをする (7)車に乗りたがらない (8)散歩中に自転車を追いかける(シェルティ) (9)急に言う事を聞かなくなった (10)叱ると家族に攻撃的な態度をとる (11)来客に吠えかかり攻撃する (12)一緒に旅行に行きたい時 (13)災害に備えて (14)飼い主の義務 (15)集合住宅でのマナーとトラブル 1 基本的なしつけ (1)食事の時間は飼い主が決める 犬の食事は伺い主が決めた時間に与えるようにします。食事をコントロールすることで、犬は、伺い主が自分の世話をしてくれる頼るべきリーダーであることを自覚します。与えるときには名前を呼び、目を見て(アイコンタクト)をしてから「ごはんだよ」と言って与えると、食事の主導権は犬ではなく飼い主が持っていることがはっきりします。 (2)犬の食事は飼い主のあとに 飼い主の食事と犬の食事の時間がいっしょになった場合は、まず飼い主がひと口でも先に食べてから犬に食事を与えます。だれがリーターであるか犬に自覚させるためです。その間に吠えてほしがったら無視します。吠えたからと与えていると、犬は自分が食事の主導権を握っていると思い込みます。また、飼い主と犬との区別をはっきりさせるためにも、自分たちの食事を与えるのはやめましょう。 (3)アイコンタクト 人と同じように飼い主と犬が目を合わせることをアイコンタクトといいます。これは、あらゆるしつけの基本であり、すべてしつけの指示はアイコンタクトから始まります。名前を呼んで犬が目を合わせたら、オーバ−なくらいほめます。最初のうちはフードやおもちゃなどのごほうびも与えましょう。うまくできない場合は、名前を呼んでごほうびを見せ、それを自分の顔に寄せていき目が合うようにするとよいでしょう。 (4)よい行動だけをほめる しつけで大切なのは、指示に従うことができてはじめてほめるということです。たとえば、呼んでも来ないのに、かまってほしくて犬がやって来たら、無条件でなでてやらずにアイコンタクトやオスウリをさせて、その行為に対して心から大いにほめてください。何に対してほめられているかがわかるよう、よい行動の直後にほめましょう。名前を呼びながらほめると、より効果的です。 (5)玄関の出入りはリーダーファースト 犬を散歩などに連れていくとき、必ず飼い主が先に門や玄関を出入りします。家や敷地は犬にとって自分の群れのテリトリー(縄張り)です。テリトリーの出入りを先に行うのは、群れのリーダーでなければなりません。また、犬がはしゃいで道路に飛び出そうとすることもあるので、安全のためにも、飼い主が先に出入りすることが大切です。 (6)リーダーがつねに優位 飽い主が犬よりも優位にあることをつねに自覚させましょう。通ろうとした床に犬が寝そべっていたら、避けたりまたいだりせず、犬をどかせてから通ります。ソファに座らせるのは、人間と同じ地位になるので禁止。帰宅したときは、人間の家族の出迎えを受けてから、犬の出迎えを受けます。散歩のときも犬に引きずられないよう飼い主がコースを決め、ひざの横を歩かせます。 優位に立ちたがる犬に対しては、特に守りたいことです。 (7)命令は1度だけ。確実に実行させる 命令は、落ち着いた低い声で、強い調子で命令します。感情的にかん高い声を出したり、必要以上の大声を出す必要はありません。犬にお願いするような声もいけません。指示の言葉は「オイデ」「コイ」など複数の表現を使うより、1つの表現に統一しましょう。犬が理解しやすくなります。また、指示を繰り返すと犬は混乱しますから、1度だけ。それを確実に実行させるのがポイントです。 (8)遊ぶときの主導権も飼い主が持つ 犬と遊ぶときも、主従関係を乱さないよう気をつけましょう。遊びの開始と終了は必ず飼い主が決めます。終るときは「さあおしまい」と言いながら犬の目の前で道具を片づけます。追いかけっこでは飼い主を犬に追わせます。逆だと遊びの主導権を犬が持つことになるからです。引っ張りっこでは綱などを飼い主が先に離してはいけません。犬は勝ったと思い、優位に立った気持ちになるからです。 (9)しつけは毎日欠かさない しつけは持続が大切です。15分程度のトレーニングを毎日2〜3回行うとよいでしょう。なかなか覚えられないからと途中で投げ出さず、気長にがまん強く続けます。うまくできたときに十分にほめてやれば、犬もトレーニンクの時間が楽しくなります。 しつけは本を読むなどの独学も可能ですが、初心者はビデオやしつけ教室などで具体的な方法を実際に見ると、非常に有効です。 (10)「マテ」「フセ」で服従心が向上 「マテ」とはその場から動かず(多くの場合オスウリの姿勢で)待機させる指示、「フセ」は腹部を地面につlナて待機させる指示です。この2つは、動きを止めて待つ行動なので、飼い主への服従心を向上させるのにも役立ちます。1日30分を目標に、最初は数秒から始めましょう。飼い主は別のことをしていてかまいませんが、つねにそばにいて姿勢がくずれたら直します。その日の目標時間に達したら必ず「オウリ」など解除の指示を出します。 (11)犬との関係は主従関係 犬と開い主との関係は、主従関係でなくてはなりません。対等な友達どうしの関係は、犬が人間と同じ順位に上がることになります。同じベッドでいっしょに寝たりすれば、犬はあなたを同列者とみなします。同列となればあなた以外の家族を従わせようとしたり、あなたより上位に立とうとします。そして群れのリーダーになろうとして(あるいは、なったと思い込んで)、さまざまな問題行動を起こすのです。 (12)去勢・不妊手術のメリットは多い 去勢・不妊手術は多くの病気を防ぎ、長寿が望めるほか、行動面でもよい影響をもたらします。落ち着きが出て反抗心や攻撃性が低くなり、むだ吠えや尿をあちこちにかけるマーキンク行動も少なくなります。メスの発情は小型犬なら6か月ごと、大型犬では10か月ごとに訪れます。オスはメスの発情を受けて行動します。それ以外のほとんどの期間はオスでもメスでもなく「犬」ですから、去勢・不妊手術をしてもとくに問題はないのです。 (13)マズルコントロール 犬を叱る方法のひとつにマズルコントロールがあります。犬の口吻(こうふん)を上からそっとつかむ行為です。犬どうしで上位者が下位者の口吻を軽くかみ、互いの上下関係を再確認することがありますが、それをまねすることで、伺い主がリーダーであることを犬に思い出させることができます。ただし、うなったり攻撃性のある犬にはかまれる危険があるので無理にやらないこと。信頼関係を築いてから行います。 (14)体じゆうをさわってあげる 犬の体をさわることは、健康チェックとともに大切なコミュニケーションです。犬の体のあらゆる部分をいつでもさわれることは、リーターの条件です。1日1回は体じゅうをさわってやりましょう。犬はお尻や下腹部にさわられるのを嫌いますが、優しくほめながらさわってやればしだいに慣れ、さわられることに喜びを覚えるようになります。あおむけになり、おなかを見せるのは服従心の表れです。 (15)厳しさだけでなく優しさも 毛や爪、耳や歯などの手入れは優しくほめながら毎日行います。最初はいやがっても少しずつ続ければ、犬はリラックスして受け入れるようになります。リーダーにほめられ、さわられるのは犬にとってうれしいこと。「リーダーを受け入れればこんなに気持ちのいいことがあるんだ」と犬に思わせます。信頼されるリーダーとして、威厳だけでなく優しさを見せるためにも、このような時間は有効なのです。いっしょに遊ぶ楽しい飼い主に犬といっしょに遊ぶのは、運動やコミュニケーションのほか、しつけにも利用できます。ごほうびとして遊んでやるのもよいでしょう。犬は人間と遊ぶことが大好きなのです。代表的な犬との遊びは、ボールなどを投げて持ってこさせる「持ってこい」、マテをさせて人間が隠れる「隠れんぽ」など。遊ぶ時間は犬の集中力が持続する20分程度が適当です。 (16)公平で穏やかなリーダーに よきリーダーは、公平で一貫性のある態度をとります。気分しだいで激したり甘やかしたりするのは、信頼関係を傷つけます。 伺い主の気持ちが不安定なときや疲れているときは、トレーニングはしないほうが賢明です。複数の犬と暮らしている場合は、下位の犬が上位の犬に順位を侵す行動をとったら、下位の犬を叱ります。それが犬にとっては公平な判断となるのです。 (17)抱くときに注意すること ふつうに抱くときは、犬の前定の下(胸の下)に一方の手を入れ、もう一方でお尻を支えて体にぴったりつけます。少し反航心のある犬なら、片手で小脇にかかえ、人の腰骨の上にぴったりつけて抱きます。この方法は犬の足が宙に浮いて不安定なため、犬は安全性を保っているのはり一ダーであることを理解します。避けたいのは、飼い主の目の位置より高く抱くこと。犬は、より高い位置にいる者が上位者だと思い込むからです。 2 キャンプに必要なしつけ (1)クレートレーニング クレートの中で落ち着いて過ごせる犬にすることは、さままざまな場面で有用です。ぜひ、トライしてみて下さい。 クレートとは、プラスチックや金属でできた持ろ運びできる犬舎のことです。クレートトレーニングとは、犬がクレートの中で静かに落ち着いて過ごせるようになるためのしつけです。このしつけができていると、災害時の避難や動物病院への入院、あるいは移動や宿泊など旅行に連れて行く場合にたいへん役に立ちます。 クレートは犬を「閉じ込める」ものではありません。むしろ犬が「安心できる」場所なのです。まずそのことを飼い主は認識して、犬にも心を込めて話しましょう。少しずつ時間をかけて。 クレートトレーニングは、サークルの中で過ごす練習から始めます。サークルは犬を家に迎える前に、成長を想定し、ある程度の大きさのものを用意しておきましょう。その中にベッドとして敷物を敷いたクレート、トイレ、おもちゃ、食器を置き、飼い主の目が届かないときは、この中で生活させます。夜もサークル内で眠らせます。 はじめは出たがって鳴くかもしれませんが、犬が騒いでいるときは出してはいけません。要求を受け入れたことになるからです。いつ出すかを決めるのは飼い主です。ふっと静かになったとき、十分ほめてから出してやりましょう。「サークルに入れられて、かわいそう」などと言ったり思ったりしないでください。「いいおうちだね」とサークルがどんなにいいところかを話してやりましょう。 サークルの中で安心して過ごせるようになったら、次はクレートに挑戦です。クレートの扉は閉まらないように国定します。使い慣れたタオルなどを中に敷き、クレートトレーニング期間中は、この敷物以外に犬が好きな敷物を家に置きません。食事やおもちゃはクレートの中に置き、クレートは楽しいところだと覚えさせます。「ハウス」などクレートに入らせる言葉を決め、犬が入った瞬間にその言葉を言うことで、指示の言葉を記憶させます。入ったら十分にほめましょう。 犬がクレートに入ることに慣れてクレートを好きになってきたら、入つたときに扉をちょっと閉めてみます。静かにしていたら「オリコウ、いいおうちだね」と十分にほめましょう。そして、扉を閉めてクレートの中にいる時間を少しずつのばしていきます。 (2)首輪とリードを付ける 首輪とリードをつけるのは飼い主の義務。とはいえ、これらは犬をしばりつけるものではなく、お互いを結ぷきずななのです。 日本では、飼い主は犬をつないでおく義務があります。外に出るときは必ず首輪とリードをつけましょう。犬が飛び出したり走り出したりして、事故にあわないようにするためにもぜひ必要です。「うちの子は大丈夫」ということはありません。 犬は本能で行動する動物です。どんなにしつけができていても、何か音がすると、思わず飛び出していくこともあるのです。また、首輪とリードは、犬が嫌いだったりこわかったりする人への思いやりでもあります。 まずは首輪だけを食事や遊ぶときにつけて慣らし、次にリードに慣らします。このとき「よく似合うね」と、犬が安心するように声をかけてやります。しばらくは、家の中で首輪とり一ドをつけたまま過ごさせます。ただし、り一ドが家具などに引っかからないように、家族が見ていられる時間だけにしてください。 ■喜んで首輪をつける 首輪には、目的に応じていくつもの種類があります。素材としては、じょうぶで洗え、犬の皮膚にもやさしいナイロン製のものが便利でしょう。犬が勝手な方向に動くと首の部分が締まるスリップカラーなどのトレーニング用首輪は、力のある大型犬の子犬などには有効ですが、これは犬をマイナスの刺激で制御しようというものです。犬が自分から喜んで首輪をつけるようにするには、時間は多少かかりますが、「プレミアカラー」、「ジェントルリーダー(専門家の指示が必要)」、「コントロールウォーカー」などの首輪をおすすめします。 また、胸と胴にかける胴輪も市販されていますが、しつけの期間中は首輪にしたほうが良いようです。胴より首にリ一ドをつけるほうが、飼い主の意志が正しく伝わるからです。 ■飼い主もリードの持ちかたを練習する 次はリードですが、子犬や小型犬などではリードの重さが負担になり、こわがって動かなくなる場合があります。そのときはボール遊びなどでリードの重さを忘れさせます。 リードの長さは6フィート(約1.8m)くらいが適当です。コントロールするには、ある程度の長さがあるほうが楽だからです。右手の親指にリードをかけて余分な部分を折りたたんで手の内で握り、左手で長さをコントロールします。上手にコントロ一ルするにはある程度の練習が必要です。まず、犬とともに家の中で練習し、上手にできるようになったら外出してみましょう。 (3)「ツイテ」のしつけ 犬が伺い主の左横にきちんとついているのが正しい歩きかた.これは難しいしつけですが、根気強く教えましょう。 犬を連れて外出するとき、放っておくと犬は勝手に好きな方向へ行ってしまいます。混雑した町の中では、たいへん危険ですし、周囲にも迷惑がかかります。このようなときに必要となるのが、「ツイテ」のしつけです。 ■散歩を利用してしつける 玄関から出る前に「オスウリ、マテ」を指示し、それができたらごほうびとして散歩に連れていきます。外に出たら「イコウ」と声をかけ、散歩をスタートします。まずは犬を自由に進ませ、先に行きすぎてリードがピンと張ったら、その時点で立ち止まります。叱ったり手前に引き戻したりはしません。 これで犬は、リードを引っ張ると進めないと理解します。飼い主をふり向いたら「オリコウ」とほめ、先に進みます。これを繰り返します。リードをゆるめて飼い主のそばを歩くことは「楽しいこと」と、覚えさせましょう。 ■「ツイテ」をしつける ツイテとは、犬がつねに人間のかかとの位置(ヒールポジション)にいる状態です。 トレーニング方法 @犬と向かい合い、オスウリをさせます。左手にフードを持ち、犬の口の高さに見せながら、うしろに下がります。フードを持つ手は左足につけます。犬があなたについて進んできたら、「そうそう」などと犬の行動が正しいことを教えます。 Aそのままついてくるようになったら、あなたは途中で180度方向を変え、犬をあなたの左横につかせて、同じ方向を向いて進みます。このとき「ツイテ」または「ヒール」と言って覚えさせます。 BAができたら、犬をヒ−ルポジションですわらせ、「ツイテ」または「ヒール」と言って歩き出します。犬がつねにかかとの位置にいるよう、フードの位置を調整しましょう。ヒールポジションのままついてきたらほめ、ごほうびをやります。 3 こんな時の対処 (1)成長とともに吠えるようになった ■子犬時代は白紙の状態 迎えた当初、子犬は親きょうだいのところから急に人間ばかりのところへ連れてこられて戸惑っています。緊張して新しい場所での自分の位置を探っています。この時期の子犬は人間社会のルールも言葉もわからない、いわば白紙の状態なのです。 いっぽう、家族にとっては、迎えたばかりの子犬はとにかくかわいいもの。何をしても、つい「まだ子犬だから」と許してしまいがろです。 ■良いことと悪いことを教えよう 家族は犬が何をしても「いいよ、いいよ」と許してきたため、犬は自分が何をやってもいい立場にいるのだと思い込んでしまいます。白紙状態のときにすベてを許されてしまい、何が「良いこと」で、何が「悪いこと」かを教えてもらう機会がないのです。 そして、子犬はまだ人間の言葉を理解できていません。飼い主とのコミュニケーションがとれていないのです。まず、何が「良いこと」かを、ほめながらしっかり覚えさせましょう。ほめられる喜びを知ったところで、今度は吠えたときに無視します。 「吠えると家族のみんながうれしがらないな、つまんないな」と覚えさせるのです。吠えるのをやめたら、ほめられる喜びを知った犬は、無視される、つまり愛情を遮断されるつらさを理解します。このように、「良い」「悪い」の区別をはっきりさせて、むやみに吠えるのは「悪い」ことだと教えましょう。 (2)外を通る人に吠える ■警戒心や恐怖心が吠えさせる 家の外のものに吠えたてる場合、その原因の多くは知らないものや音に対する警戒心や恐怖、好奇心などです。とくに室内犬は、家がテリトリーになり、外の世界にふれる機会が少ないため、これらの気持ちがいっそう強くなります。これを防ぐには、子犬のときからさまざまなものや人に会わせて慣れさせることです。外への関心をなくすには、去勢・不妊手術も有効です。 家の近くを通る人に吠えるのは、なわばりを守ろうとする意味もあります。吠えているときに家族が「やめなさい」と近寄ると、応援に来てくれたのだと思う場合もあります。この場合、吠えるのをやめたときに十分ほめましょう。 ■声や音がが聞こえないように 犬が気にする音を録音しておき、何度も聞かせて慣れさせる方法もあります。しかし、毎日のことなのに慣れない場合も多いので、原因となる物音から犬を遠ざけるのがよいと思われます。その音のする、または、刺激となる事が起こる時間帯になったら、それが見えず、外の音が聞こえない部屋に犬を移します。カーテンを引いたり、音が聞こえにくいようにテレビや音楽をかけるのもよいでしょう。また、吠える時間が訣まっている場合は、大好きな遊びやおやつを用意し、吠えようとしたらすぐに呼んで、気を引くのも効果的です。 ■犬種による理由(例:シェルティ) 家の住人が帰宅した時、宅配便の配達人が来た時などにシェルティが吠える理由は、それを伝えたいというシェルティの牧羊犬としての本来の性質がそうしている事が考えられます。そんな時叱ったりするとますます吠えるようになるので、1度吠えたらすぐにほめて、吠える時間を短くします。 (3)突然やみくもにほえる 物音や来訪者など何かに吠えるというのではなくやみくもに吠えだし理由が分からないという場合。 ■吠えるには理由がある まずわかっていただきたいのは、犬にとって「むだ吠え」はないということです。飼い主にしてみれば一見理由がないようでも、犬が吠えるのは何かを伝えたいからなのです。ですから吠えるのをやめさせたいのなら、「なぜ」吠えているのかを考えることが解決への第一歩。「いつ」「どこで」「何に対して」吠えているのか、メモをとって調べてみましょう。どんな場合に吠えるのかがわかったら、「なぜ」吠えるのかもわかってきます。 ■リーダーになってしまった犬の場合 しかし違う理由も考えられます。前述のような理由がわからない場合、ちょっと見方を変えてみましょう。家で犬が吠えたら次に何が起こるのかを想像してみましょう。 家の中で犬と一緒に過ごす時間が多く、犬がかわいくてしかたがないという場合。犬が吠えれば「はいはい、な−に?」と答えます。さらに吠えれば「どうしたの?」と駆けつけます。さらに吠えていれば、家事を中断してでもボール遊びをしてやります。このような日常で、犬は何を学んだでしょう。 犬は「飼い主に相手をしてほしければ吠えればよい」と学習したのです。吠えることで飼い主を思うとおりにできる、飼い主のリーダーとなってしまったのです。 アルファシンドロームであるこの犬の場合、吠えるのをやめさせるには、まず飼い主がリーダーになることが先決です。アイコンタクトをはじめとするトレーニングをしっかり行い、「私たちの生活はあなたではなく私が決める」ということを、犬にきちんと理解させることです。このことがわかれば、犬が自分の要求を通すために吠えることはなくなるはずです。 (4)ある特定の音(例:掃除機)に吠えて大騒ぎ ■生まれつき嫌いな音 特定の音が嫌いな犬というのは存在します。その音が過去のいやな記憶と結びついている場合もありますが、大した理由もなく、生まれつき嫌いな場合も多いのです。そして生まれつき嫌いな場合、いくら言い聞かせて叱っても直らない事が多いようです。 一般には、その音がしたときは、家族が静かに行動し、安心させるように優しく声をかけて、犬を落ち着かせます。前述のケースのように、通行人など外部からの物音に対しては、聞こえないように工夫するのも手です。しかし、このケースでは、掃除機の音を日常生活から取り除くことは困難です。ならば犬を慣れさせましょう。 ■録音して何度も聞かせる まず掃除機の音をテープに録音します。それを最初は小さい音で、1日に少しずつ何度か繰り返し犬に聞かせます。少しずつ音を大きくしていきながら、1週間〜10日間続けてみましょう。これによって、ほとんどの犬はその物音に憤れ、反応しなくなります。食事のときやボール遊びのときなど、犬が好きなことをしているときに、テープの音を流すのも効果的です。その物音が好きなことや楽しいことと結びつくからです。 録音して何度も聞かせて慣れさせるというこの方法は、掃除機だけでなく、雷や花火の音が嫌いな犬にも効果があります。 (5)行き合うよその犬に吠える ■社会化がまだできていない ほかの犬に吠えるのは、知らない相手への警戒や恐怖、あるいは逆に好奇心が強いからです。子犬のときに犬どうしで遊ぶ機会が少ないと、このような犬になりやすいといえます。このケースの犬もそうですが、社会化がまだ十分にできていないのです。 道で出会っても吠えない犬どうしは、互いにサツと目をそらしています。見知らぬ犬どうしが目を合わせることは「戦う」ことを意味してしまうからです。不要な戦いを避けようと、自分から目をそらすのです。 ■犬どうしの付き合い教える■ このような犬はそういった行動を知らないのですから、知っている犬に教えてもらいましょう。お行儀のよい犬とその飼い主に手伝ってもらい、道で出会う練習をするのです。吠えて飛びかかろうとしても、相手は目を合わさず、さりげなくすれ違います。このとき、相手の犬からは「僕は君に攻撃したりしないよ。敵意を持ってもいないよ」というメッセージが送られているのです。これを繰り返すうちに、犬どうしのあいさつのしかたを覚えていきます。 まだ覚えていない時期にほかの犬に出会ったら、目線が合わないように犬の頭を相手の見えない方向に向けます。大好きなおもちゃなどを見せてもよいでしょう。近づきすぎないように迂回させるのもよい方法です。また、犬はすわった姿勢では強く吠えることができないのでオスワリをさせ、飼い主もしゃがんで、「お友達よ」と落ち着いた声をかけて安心させるのも効果的です。 (6)拾い食いをする ■拾い食いは本能 何か食ペられそうなものが道に落ちていれば、つい食ペてしまうのが犬の本能です。これをやめさせるのはなかなか難しいことです。ほかの犬や猫のフンを会べたり、雑草や小石を食ペたりする犬もいますが、これらについてはビタミンや繊維質が不足している、のどや胃の具合が悪い、などの理由も考えられます。まずは獣医師に相談してみましょう。 特にに身体的な理由がない場合は、以下のようにして拾い食いをやめさせます。 ■ビターアップルを使ってみる ピターアップルという苦い液体をご存じでしょうか。犬のしつけに使われるもので、なめても害はありません。このピターアップルをたっぷりつけた食べ物を、敵歩で通る道にあらかじめ数個置いておきます。そして犬を連れ、その道を散歩します。犬がピターアップルのついた食ペ物を食ペても叱りません。何も反応しないでいてください。これは、ピターアップルの苦さを飼い主のしわざではなく、降ってわいた「天罰」だと思わせるためです。 次にふつうの食ペ物を同じコースに置いておきます。食ペなかったらほめてやりましょう。食ペようとしたら直前に「イケナイ」と叱り、やめたら十分にほめます。また、何かが落ちてていそうな道路の端ではなく、中央を歩かせたり、落ちていたら避けて通らせるなどの方法も試してみてください。 (7)車に乗りたがらない ■車そのものを好きにさせる 車好きの犬にするには、子犬のときからエンジンのかかっていない車に乗せて遊ぶと効果的です。車は「楽しいところ」と覚えたら、短時間ずつ車を走らせて慣らすのです。 しかし、すでに車が嫌いになっている場合、車への恐怖心を取り除いてから、しだいに好きにさせましょう。最初のうちはエンジンのかかっていない車で練習します。食事は車内で与え、とにかく車に入る経験をさせましょう。散歩のときも、車にいったん入らせてから出かけます。車内でボール遊びなど好きな遊びをさせるのも効果的です(このトレーニングのときは、好きな遊びは車の中だけで行います)。 これらを続けるうちに、だんだん「好きなこと」と車が結びつき、車そのものも好きになります。車に慣れてきたら、散歩の前に少し車を動かしてから出かけるなど、動く車に慣れさせます。 ■クレートを使うのも有効 クレートトレーニングのできている犬であれば、クレートに入れたまま車に乗せると恐怖がやわらぎます。クレートの中は安心できる楽しい場所だからです。速い速度で動く外の風景が見えないよう、クレートに布をかけてやってもよいでしょう。 ドライブ好きの犬でも、クレートに入れて車に乗せるほうが安全です。ドライブ中は犬をクレートに入れることをおすすめします。また車酔いをする体質の犬は、動物病院で薬の処方を受けることが必要です。 食事を与えるときは車の中で。車に乗ってから敵歩をするようにします。車の中で好きな遊びを させます。 (8)散歩中に自転車を追いかける ■なかなか消えない犬の本能 犬にとって動くものを追いかけるのは、自然な狩猟本能です。自転車のほか、猫などの小動物を追いかける犬も多いものです。この本能はたいへん根強く、かなりきちんとしつけられた犬でもつい出てしまう行動です。 たとえばシェットランドシープドッグは、もとはその名のとおり牧羊犬として改良されてきた犬種です。羊の群れとともに行動し、群れから離れる羊があればもどし、群れを整えるのが本来の役割でした。ですから家庭犬として飼われている現在も、散歩中に自転車が日の前を横切ると、群れを乱す羊に見えてしまうことがあるのです。そこで、我を忘れて自転車に飛びつこうとするわけです。 シェルティのような牧羊犬にとって、何かのあとを追うというのは本能的に抑えがたい衝動なのです。牧羊犬だけに限らず、犬はみな狼の子孫として、狩猟本能を持っています。目の前でさっと逃げていく猫や視界を横切る自転車を追いたくなるのは、彼らの本能なのです。 ■犬の集中力をリーダーに向ける そんな強力な本能を抑えるには、やはりリーダーのコントロ−ルしかありません。飛びかかりそうになった犬を制止できるだけのリーダーとしての魅力、そしてふだんからのしつけがものを言うのです。 まずアイコンタクトをはじめとする毎日のしつけを、改めてきちんとやり直してみましょう。そして自転車や猫を追いかけようとしたら、飼い主はひと声かけてオスウリをさせます。このとき指示をきかないようならば、犬の心に働きかける飼い主の力がまだ足りないのです。いざというときに犬が家族に集中力を向けないということは、犬が家族を真のリーダーだと認めていないということになります。 ■音を聞かせて立ち止まる それでもなかなか直らない場合は、友人に協力してもらって練習しましょう。立ち止まらせるために聞かせる音は、痴漢防止アラームなど、犬が日ごろあまり聞いたことのない音がよいでしょう。 犬が立ち止まったら十分にほめ、すぐに大好きなフードを1粒与えるのも効果的です。 @敵歩中の犬のそばを、友人に自転車で全速力で横切ってもらいます。犬が追いかけ始める寸前に、犬が驚くような音や気になる音を聞かせます。 Aこれを聞いて犬が立ち止まれば、十分にほめます。 (9)急に言う事を聞かなくなった ■成犬としての意識の芽生え よい子だった犬が急に家族のいうことをきかなくなった、という話をよく聞きます。この場合はどうやら、成長に伴ってオス犬としての意識に日覚めたことが原因のようです。体は日に日に大きくなり、精神的にも、成犬としてのテリトリー意識や家族の中で優位に立ちたいという意識が芽生えてきたのでしょう。自分自身に対する自信も強くなってきたはずです。よく思い出してください。家族内で言い争いをしたとか、近所で新しく犬を飼い始めたとかいうことはありませんか。そのようなちょっとした力関係の変化や環境の変化がきっかけになるのです。 あるいは「自分のほうが上位なのでは?」と思わせるできごとはなかったでしょうか。子犬のときは家族が勝っていた引っ張りっこで、成長した犬が勝ってしまった、知らず知らずのうちに犬の要求に応えている、などということが思い当たりませんか。この場合は、家族がリーダーであることを犬にもう一度理解させることで解決できるでしょう。去勢手術もとても有効です。 ■原因に応じた対処を しかし、急にいうことをきかなくなる原因はほかにもたくさんあります。何かの折に家族から体罰を受けて不信感を持った、大きな音で驚かされた、あるいは関節が痛むなど身体的な疾患が原因かもしれません。 原因を見誤れば不適切な対処をするおそれもあります。家族の態度があいまいだと、犬はそのうちに反抗したり、気に入らないことがあれば攻撃したりするようになってしまいます。原因がわかりにくい場合は、動物病院で診断してもらい、相談することをおすすめします。 (10)叱ると家族に攻撃的な態度をとる ■体罰は必要ない 家庭犬のしつけでは体罰は必要ありません。体罰を与えると、犬はすきを見てさらに反抗しようと思うようになりますし、飼い主との信頼関係も損なわれます。叱られて反抗的な態度をとるのは、1歳を過ぎ、体格がしっかりして気力、体力、活動性が発達したことに加え、オス犬としての意識が確立してきたからです。そのうえリーダーがしっかりしていなければ自分のほうが上位だと考え、下位のメンバーのいうことには従わなくなります。ここでさらに叱ると、気の強い犬ならばライバルが自分の地位に挑戦していると感じ、ますます攻撃的な態度を見せます。 ■叱るのをやめ・無視する こういう場合は叱るのをやめることです。支配的な性格を持つ犬は、上から抑えつけようとしても逆効果です。叱る代わりに、犬が悪い行動をしたら家族全員が無視するなど、冷たい態度をとるのが効果的です。群れのメンバーから愛情を示されないと、犬は「あれ?」と思います。そして自分の行動と結びつけて考え、家族の愛情を得るために、その行動をやめるようになるでしょう。 それでもいうことをきかない場合は、食事の量を3分の1くらい減らし、空腹を感じさせることで注目させます。この家のリーダーはだれなのかを、犬に認識させるためです。 犬が少しでも従順で素直な態度を示したら、落ち着いた態度で心を込めてほめてやりましょう。 あまりに攻撃性が強い場合は、危険なので専門家に相談してください。反抗的な行動の原因が身体的な疾患である場合もあります。動物病院で診察を受けることも大切です。 (11)来客に吠えかかり攻撃する 来客に吠えかかるのは恐怖を感じている場合が多いですね。子犬時代の社会化が十分ではなく、人見知りする、臆病な性格になっています。犬は恐怖を抱いたときに追い詰められると、吠えたり攻撃するしかありません。このような場合に叱ると、「こわいから助けてと言っているのに、なぜわかってくれないんだろう」と飼い主に強い不信感をもちます。そこで臆病な犬に対しては、家族以外の人に協力してもらい、次のような方法を記してください。 ■来客に慣れさせるには @犬を居間が見える部屋に連れていき、サークルに入れたりつないだりして、人を攻撃できないようにしておきます。家族以外の人にあらかじめ犬の大好物を渡しておき、お客様役として家を訪ねてもらい、居間にすわってもらいます。このとき家族もお客も、犬が騒いでも無視します。犬を見ても、声をかけてもいけません。 A犬が静かになったらお客は犬に近つき、犬の大好物をそっと投げ与えます。このとき、犬にあまり近つかず、体の正面を向けたり目を合わせたり、声をかけたりしません。途中で吠えたら、逃げないで待ちます。吠えることでお客を遠ざけられると思わせないためです。好物も与えません。静かになったら再開します。これを繰り返し、犬にだんだん近づいて体も正面を向けるようにします。目はけっして合わせません。 Bお客が家の中にいる状態に犬が慣れてリラックスしてきたら、お客は犬の好物を持ったまま近づきます。そして好物を手にしたまますわり、犬が自分から寄ってくるのを待ちます。もし犬が吠えたり少しでも攻撃的になったりしたら、再度Aにもどってください。 Cお客から喜んで好物をもらうようになったら、犬を居間に入れます。このとき、お客は犬を無視していてください。そして犬の口が届く位置に好物を持って、飼い主とおしゃべりします。好物がほしくて犬がお客のそばに寄って来たら、落ち着いてほめてから好物を与えます。最終的にお客になでてもらいたくて寄ってきたら大成功です。これができたら、次にほかの人にも同じ練習をしてもらいましょう。 (12)一緒に旅行に行きたい時 たとえ、しつけがきちんとできていても、犬を旅行に連れていくには、かなりの覚悟が必要ですね。 ■あらゆる場合を想定しよう 「愛犬とともに旅行に行きたい!」と思ったら、まずは「本当に犬を連れていく必要がある?」と、もう一度しっかり考えてください。旅行は楽しいけれど疲れるものです。意味のわからない犬にとってはなおさらです。犬の健康状態や旅行の行程、受け入れ先などをよく考え、少しでもムリがあれば、残念ですがかかりつけの動物病院やペットホテルに預けましょう。健康状態がよくても、はたして移動に耐えられるでしょうか? 乗り物の中では、キヤリーバッグの中で静かにできますか? 車酔いはしませんか?(車酔いする犬ならば、車に慣らす練習や、酔い止めの薬も必要です。)受け入れ先はどうでしょうか? 犬OKのホテルやペンションでも、飼い主の外出時や夜間は別の部屋に置かれる場合があります。同じ部屋であっても、鳴いたり粗相をしたりしないでしょうか? レストランではおとなしく床に伏せていられますか? 環境が変わると犬は不安や興奮から、それまでできていたしつけを忘れてしまうこともあるのです。 アウトドアの場合、それはさらに深刻です。自然の中には、飼い主より魅力的なものがたくさんあります。いつもは呼んだらもどる犬でも、旅行先では違うかもしれません。行方不明や事故にあうケースが多いことを心得て、いつもよりしっかりとリードを引いていることが大切です。 ■旅行先では細心の注意を それでも”連れていこう”と決心したら、行程やスケジュールは犬を中心に立てましょう。食事や飲み水、リードなどのほか、トイレや吐いたときの掃除道具、ピ二一ル袋、タオルなどを用意します。 車で移動のときは、自家用車なら窓を少し開けて風を入れるか、エアコンを入れ、温度を20度前後に保ちます。犬は暑いところでは体調が悪くなりがちです。車内が暑いと不安になり、ドライブに興奮して呼吸が苦しくなる犬もいます。 自的地ではリードはぜったい放さないこと。周囲に迷惑をかけないため、そして自分の犬を守るためです。行き慣れた親戚の家や別荘でも、安心はできません。開いたドアから外へ出てしまうことがあるからです。犬は5歳児と同じなのです。夏の海岸では熱射病や日射病に注意し、日陰に入れたり、冷たい水を与えましょう。犬は□でしか体湿調節ができないのです。海に入ったら、皮膚炎にならないよう、あとで塩分を洗い流します。子犬の場合は小石や貝穀などを食べないよう、目を離さないこと。 山で圧倒的に多いのが行方不明です。やぶに入ると野生の本能がよみがえり、うれしくなって走り回ります。何か獲物でも見つければ追いかけていき、飼い主の呼び声など耳に入りません。 転落や交通事故もあり得ますし、帰巣本能が薄れている飼い犬では迷子になりがちです。知らない土地で犬が行方不明になったら、もどってくることはまずないと思ってください。また、ヘビにかまれたり、力工ルを食ペて消化器障害を起こすこともあり、ダニの寄生や、寄生虫の感染もあります。犬との旅行は、もう一度じっくり考えてみることです。 (13)災害に備えて 災害に対し日ごろから準備しておくことで、多くの悲劇を免れることができます。とくにクレートトレーニングは有効です。 ■社会化された犬は有利 災害のときは人間でも動揺します。犬はそれ以上に動揺しますが、こういうときこそ、日ごろのしつけがものをいいます。たとえば、災害の発生に恐怖を感じても、勝手に逃げたりどこかに閉じこもってしまわず、信頼すペきリーダーを頼って飼い主のもとに寄ってくる。救助されるときに吠えたりかんだりしない。避難先では他人に迷惑をかけない。こうしたことができる社会化された犬は、救助でも避難所でも優先的に処遇されます。万一飼い主とはぐれても、新しい飼い主に遭遇できる可能性は非常に高いのです。逆に社会性がなく過敏な犬は、あらゆる場面で非常に不利だといえるでしょう。 ■避難の時はクレートで 避難する場合はキャリーバッグやクレートに入れて移動します。外で飼っている犬や大型の犬も、できるだけクレートに入れ、手で運ペなければ車に積み込んで避難します。 クレートに入っていれは避難所の廊下にも置いておけますが、そうでないと、飼い主とは別に収容所に預けるしかありません。ですから、日ごろからクレートに慣れさせておくしつけ(クレートトレーニング)が必要です。これは動物病院へ行くときも、旅行のときもたいへん有効です。 子犬のときから、安定感のある居心地のよいキャリーバッグやクレートを準備して、入るとほめられる、楽しいことがあると思わせます。はじめのうちは、中に食べ物を少し置いておくとよいでしょう。室内犬なら、来客時はクレートに入らせる習慣をつけておくのもよいことです。この中にいれば安心だと、犬が感じるようにしつけておくのです。 クレートや首輪には飼い主の住所と名前を明記し、不幸にして飼い主が死んでしまった場合のことも考えて、できれば親戚など飼い主以外の連緒先も併記します。非常用持ち出しとしてはフード類、水、ペットシーツ、タオルなど。常備薬やガーゼ、包帯、消毒綿も用意しておきましょう。 これらはクレートの中に入れておくか、別にパックして、そばに置いておきます。また、リードはいつも決まった場所に置きます。決めておかないと、いざというときに探しても見つからないかもしれません。犬とはぐれてしまったら、避難後も自宅のあった場所へときどき行ってみましょう。散歩をさせていた犬なら、家の周辺を記憶していて、もどってくる可能性があります。 ■精神的ショックのケア 災害のあとは、犬も人間同様、精神的ショックが心に残る場合があります。動物の心のケアをする専門病院は日本にはまだないようですが、カウンセリングなどで対応している動物病院は少数ながらあります。特定の音におびえるようになったり、心身症のようになったりしたら、飼い主は落ち着いた態度で優しく接し、戦医師に相談してみましょう。 (14)飼い主の義務 犬を飼ううえで、飼い主にはいくつかの法的義務があります。法と社会的義務を守り、よい飼い主になりましょう。 ■狂犬病予防は法的義務 飼い主には法的な義務と社会的な義務とがあります。法的な義務としては、まず「登録」と「狂犬病予防注射」があげられるでしょう。 〔登録〕 登録は、犬を飼い始めて30日以内に、子犬の場合は生後90日を過ぎたらできるだけ早く、市区町村の役所で登録手続きを行います。登録すると鑑札とステッカーをもらえますから、鑑札は首輪に、ステッカーは家の入口で外から見えるところにはっておきます。登録はこの1回だけでOKです。 〔狂犬病予随注射〕 狂犬病の予防注射は1年間有効のワクチンで、1年に1回受ける義務があります。生後90日に達したら注射を受けますが、近所の動物病院で、いつでも受けることができます。このとき動物病院で予防注射を受けたという証明書を発行してもらい、それを保健所、または市区町村の役所に提出する義務があります。そして市区町村発行の「狂犬病予防注射済証」をもらいます。注射だけでなく、この済証を毎年受けることも必要です。登録してあるかぎり、狂犬病予防注射の義務はありますから、うっかり提出を忘れていると督促がきます。 よく、室内犬の飼い主で「うちの犬は散歩に出さないから、狂犬病の感染機会はない。だから狂犬病予防注射は必要ない」と言う方がいます。しかし日本で犬を飼う以上、狂犬病の予防注射は法律で定められた義務です。 散歩に出なくても、宅配便や郵便の配達人につい前足で爪をかけるかもしれません。そのとき爪をかけられた側が保健所に訴えたらどうでしょう。狂犬病予防注射をしていなければ、飼い主は罰せられます。あるいは、何かの機会によその犬にかまれる可能性もあります。自分の犬を守るためにも狂犬病予防注射は受けておくべきです。日本では、狂犬病はこの40年ほど発生していませんが、近隣諸国ではいくらでも発生しています。現代は動物も諸国間を行き来する時代です。その意味でも必要といえるでしよう。狂犬病はだ液から感染しますから、ほかの犬や人間をかんだときには保健所に届け出る法的義務があります。また、死亡または行方不明になったときには、廃犬届けを提出する義務があります。 ■社会と共生でできる犬に 犬をすてたり、虐待したり、引き綱を放したり、他人に迷悪をかけたりしてはいけない…という法的義務もあります。また国外から犬を持ち込む場合、指定された国以外からの持ち込みには、最低14日間の検疫期間が設けられます。 社会的な義務としては、何といっても犬によって他人に迷惑をかけないこと。恐怖、騒音、悪臭、他人の財産の侵害など、犬の嫌いな人でも嫌悪感を持たないような飼いかたをすることが大切です。 ■犬にかかる費用 犬を飼う費用についても考えなくてはなりません。たとえば初年度には登録料と狂犬病予防注射料がかかります。また、毎年受けるとよい7種混合ワクチンや、動物病院での検診料も必要です。 食事は、5s程度の小型犬でもドライフードだけで1か月に5000円程度かかります。このほかフィラリアやノミの予防薬、去勢・不妊手締、病気やけがの治療費など、さまざまな費用がかかります。これらも踏まえて、犬を飼えるかどうか考えていただきたいと思います。 予防注射は、あなたの犬を守るためにも必ず受けましょう。 (15)集合住宅でのマナーとトラブル 集合住宅で犬を飼う場合、周囲への気配りは何より大切。また、トラブルの多くはしつけで改善できます。 ■ペット飼育は法律でなく規約で定められる マンションなど集合住宅でのペット飼育は、各集合住宅の規約と居住者の話し合いで決められます。最近では、最初から犬猫飼育可能をうたったマンションも登場していますが、はっきり禁止と決められている集合住宅では、規則を破ってまで飼うのは当然マナー違反です。 では幸いにも犬を飼うことが許されている集合住宅では、どんなことに気をつけるべきでしょうか。まず、たった1匹の犬でも周囲に迷惑をかければ、マンション全体が犬禁止となるおそれがあることを頭に入れておきましょう。ほかの愛犬家のためにも、自分の犬の問題は解決する必要があります。 ■「うるさい」「汚い」「こわい」の解決法 集合住宅でおもに問題となるのは「うるさい」「汚い」「こわい」の3点です。これらはすペて飼い主のしつけで解決する問題です。 〔「うるさい」の解決法〕 第1にむだ吠えはけっしてさせないこと。「来客時や、外の通路を人が通るとき」「飼い主が出かけてからしばらくの間」というのが、マンションの犬がよく吠えるときです。子犬のときからできるだけ外出させ、外の物ごとや人に慣れさせます。通路の音やインターホンに吠え始めたら、すぐに「イケナイ」と言ってやめさせ、次に犬を呼び寄せます。犬が来たらほめてあげましょう。外からの音を聞こえにくくするために音楽やテレビをかけたり、足音や車の音などを録音し、何度も聞かせて慣れさせるのもよいでしょう。 来客のときは抱いて出て、飼い主が落ち着いて親しく対応するのを見せ、来客への恐怖心や興味を軽減します。去勢・不妊手術もむだ吠えの改善に効果的です。あるいは、飼い主が「ワン」と言って吠えさせ「やめなさい」でやめるしつけをすることで、吠える行動をコントロールする方法もあります。 また、フロ−リングの床は犬の足音が階下へ響くおそれがあります。犬も滑りやすく危険なので、マットなどを敷きましょう。 〔「汚い」の解決法〕 「汚い」という面では、共有部分を毛や排泄物で汚さないのはもちろんのこと、バルコニーで毛の手入れや排泄をさせるのも厳禁です。風呂場でのシャンプーも、毛が配管に詰まり階下とのトラブルのもとになるので注意しましょう。 犬を工レベーターに乗せるときは、璧側に向けさせます。 〔「こわい」の解決法」〕 入居者のなかには、犬が苦手な人もいます。恐怖を与えないためには、部屋の外では絶対に犬を放さないこと。犬を連れてエレベーターに乗るときは、同乗者にひとこと断ってから、小型犬は顔を璧に向けて抱き、大型犬は璧側にオスウリをさせて乗りましょう。 ■近憐とのコミュ=ケーションを 集合住宅における犬のトラブルの根底には、人間関係があります。飼い始めたときは、隣室や向かい、階下などに犬を連れてあいさつに行くのがマナーです。何か問題があれば遠慮なく言ってもらうよう頼み、できれば犬とも友達になってもらいましょう。飼ってからもこまめにコミュニケーションを図ります。つき合いのあるなしで、犬への感情の持ちかたはずいぶん違います。もしも苦情がきたら、相手の話に誠実に耳を傾け、すぐに問題解訣を図る姿勢を示しましょう。 犬を飼いたい願望をより多くの人がかなえるためにも、今、集合住宅で犬を飼っている人たちがよいマナーを守ることが、何より大切です。 いま、日本では不用犬として年間数十万頭もの犬が処分されているそうです。その理由としては飼い主が責任を放棄してしまうという人間の身勝手な理由が80パーセントを占めています。 飼い主は、本来正常な行動である、吠える、穴を掘る、かじる、排泄するといった犬の習性や行動を前もって学び、正しい知識としつけによる社会化と人間社会のマナーを教える義務と責任があります。 正しくしつけられた犬は、優しい飼い主の元、幸せな人(犬)生を送る事ができるでしょう。幸せな犬が増える事を願って結びといたします。 |
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